トークゲストは福岡タワーやJR博多シティの照明を手がけられた照明デザイナーの松下美紀さん。照明設計事務所の経営者でもあります。
当日はトークイベントへの参加が2回目の方など、約20名の方にご参加いただきました。
宮大工のご家庭に育ち、子どもの頃からも「もの」の本質、成り立ちに興味があった松下さんは、なんでも分解してしまうお子さんだったそうです。
大学の卒業制作でつくった照明器具がきっかけで、照明器具を取り扱う会社に入社されます。デザイナーとして採用されたものの、デザインの専門セクションは松下さんが入社したときにはありませんでした。松下さんは、倉庫から中古のドラフター(製図台)を探し出し、事務所の一角に「デザイン室」をしつらえるのです。仕事の依頼もどんどんと増え、松下さんお一人では捌ききれない量の発注がやってくると、部下ができます。手狭になった「デザイン室」をショールームの一角に設置するまでに、デザインセクションが大きくなったそうです。
その後、松下さんは退職、渡米を経て、帰国後に景観照明のお仕事に従事されます。行政とのお仕事が中心だったことから法人化することになり、シンポジウムに登壇された際のチラシがご縁で海外でのお仕事も増えていきます。
建築の世界では女性はまだまだ少数派で、女性であることで名前を覚えてもらいやすいなどのメリットもお感じになっていたそうですが、一方、タイで出会った女性経営者たちが、「女性」である前に一人の経営者として活躍されている様子を見て、この人たちと肩を並べられるようになりたい!と思われたそうです。
現在は、照明デザインを世の中に認知してもらい、照明デザイナーが活動できるように支援、育成していくこと、恵まれない女性?女児たちの支援など、ご自身のできる範囲で、できることに絞っての社会活動も行われています。
松下さんからは、自分のコンセプト、テーゼを持つことが大事。コンセプトがあることでぶれない生き方ができるとメッセージをいただきました。
エレガントで、前向き、ものの本質を見極めていく好奇心と探究心にあふれた松下さんに参加者一同、魅了されたひとときでした。
ご参加いただいた皆さんからは
「モティベーションの高さと輝いていらっしゃる様子や、たくさんの素晴らしい言葉を聞いて、仕事をしていく励みをいただきました。」「本質を見極める力=コンセプチュアルスキルについては、新しい学びでした。自分に足りないものが明確になりました。」
とのお声も頂戴しました。
イベントの最後にはプログラムの説明を行い、会の終了後には個別に相談、質問にもお答えさせていただきました。
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