准教授
弓削 昌弘
ユゲ マサヒロ
略歴
1990-1991 九州大学 教務員
1991-1992 九州大学 助手
1992-2003 福岡女子大学 講師
2003-2007 福岡女子大学 助教授
2007- 同准教授
研究テーマ
脊椎動物の形態形成
研究概要
生物のからだがどのようにして形作られているかを、アフリカツメガエルを実験材料としてもちい、個体?細胞?遺伝子の三つのレベルから解析をおこなっている。主に用いている実験方法は、胚の顕微手術、細胞質の移植、蛍光色素による細胞の標識、胚に遺伝子を組み込むトランスジェニックなどである。
現在幾つかのテーマに取り組んでいる。代表的なものとして、アフリカツメガエル初期胚の背腹軸の形成機構の解析があげられる。動物の体が作られるには、前後?左右?背腹の三つの軸が形成されることが必要である。受精直前のカエルの卵は球形であるが、受精直後に卵の表面で一方向への回転が起こる。この結果、背腹軸が決定する。当研究室は、回転直後に背側を決める情報が背側細胞質に局在するようになることを、細胞質の移植実験で明らかにし背側決定因子と命名した。他の卵の腹側予定の部分に注射してやると、本来の頭や背中の他にもう一つ別の頭や背中(これを二次胚と呼ぶ)が出来たのである。現在、背側が決定されてから、形態形成の中心であるオーガナイザーがどのようにして作られるかをオーガナイザー遺伝子のグースコイドの発現機構を中心に解析中である。
主要研究業績等
-
Yoshitome, S., Aiba, Y. , Yuge, M. Furuno, N., Watanabe, M. and Nakajo,N. (2020)
Involvement of Myt1 kinase in the G2 phase of the first cell cycle in Xenopus laevis
BIOCHEM BIOPHYS RES COMMUN 515, 139-144 (2019)
-
Yuge,M and Yamana, K.(2016)
Yuge M, and Yamana K, Regulation of the dorsal axial structures in cell-deficient embryos of Xenopus laevis., Development Growth & Differentiation 31: 315~324 (1989).
Development
関連専門分野
発生生物学
細胞生物学
所属学会
日本発生生物学会
日本動物学会
日本分子生物学会
担当講義科目
学部
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
基礎生命科学 |
2Q |
2020年度 |
生命科学の基礎となる細胞について講義を行う。 |
学部
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
環境生命論および実習Ⅰ |
前期 |
2017年度 |
|
発生生物学 |
前期 |
2017年度 |
|
発生生物学実験 |
前期 |
2017年度 |
|
基礎生命科学 |
前期 |
2017年度 |
|
現代社会における生命と健康 |
後期 |
2017年度 |
|
生命科学演習Ⅱ |
後期 |
2017年度 |
|
細胞の生物学 |
後期 |
2017年度 |
|
環境生命論および実習Ⅱ |
後期 |
2017年度 |
|
卒業研究演習 |
通年 |
2017年度 |
|
卒業論文 |
通年 |
2017年度 |
|
大学院
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
発生生物学特論 |
前期 |
2017年度 |
|
環境自然科学特別演習Ⅲ |
後期 |
2017年度 |
|
学部
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
発生生物学 (動物の発生を脊椎動物を中心に卵形成から神経胚、尾芽胚の形成まで講義する) |
--- |
2016年度 |
|
発生生物学実験(アフリカツメガエルを材料に、受精からオタマジャクシまでの形態変化を観察する) |
--- |
2016年度 |
|
細胞生物学 (細胞内でのDNA からタンパクへの情報の流れを細胞の構造を踏まえて講義する) |
--- |
2016年度 |
|
細胞生物学実験(培養細胞から、脊椎動物の器官を形成する細胞まで細胞の基本構造を観察する) |
--- |
2016年度 |
|
生命科学の現在(生命科学の最新のトピックを取り上げ、解説と考察を行う) |
--- |
2016年度 |
|
生命科学演習II(生命科学の基礎的な原著論文の講読) |
--- |
2016年度 |
|
発生生物学演習(発生生物学に関する原著論文の講読) |
--- |
2016年度 |
|
卒業研究 |
--- |
2016年度 |
|
発生生物学特論 (大学院、発生生物学の最新の原著論文の講読) |
--- |
2016年度 |
|
生体情報学演習(大学院、本年度は開講せず)発生生物学(卵形成から器官形成までの発生のメカニズム) |
--- |
2016年度 |
|
活用可能な分野(社会への貢献等)
再生医療の基礎となる臓器形成のメカニズムの研究
インターネットを利用した理科教育に関する情報の提供
高校等への出前講義テーマ
クローンと再生医療 -iPS細胞の現在と未来-~一人の人間の細胞はほとんどがクローン細胞だと考えられている。このクローン細胞の分化をコントロールすれば、様々な組織をつくりだし、再生医療に利用することができる。近年iPS細胞という、多分化能をもったクローン細胞が登場してきた。この講義では、クローン細胞とは何か、どのようにしてiPS細胞などの分化をコントロールして再生医療に応用するか等についての話題を提供する。