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研究者詳細情報
国際文理学部 国際教養学科
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教授

野依 智子

ノヨリ トモコ

略歴

1984年 立命館大学文学部史学科日本史学専攻卒業
2002年 北九州市立大学大学院人間文化研究科人間文化専攻修士課程修了
2007年 九州大学大学院人間環境学府発達?社会システム専攻博士後期 単位取得 満期退学(同年10月博士学位取得)
2007年 北九州市立大学、福岡県立大学非常勤講師
2010年 独立行政法人国立女性教育会館研究国際室研究員
2013年 現職

取得学位

2002年 修士(人間関係学)
2007年 博士(教育学)

研究テーマ

?労働と家族の関連からみた女性労働研究
?女性の貧困研究
?非正規シングル女性の研究
?男女共同参画社会に関する研究

研究概要

 労働と家族の関連の視点、すなわち「男性稼ぎ主」の視点から女性労働の歴史研究と女性の貧困問題の研究を行なっている。
 近代の筑豊炭鉱における女性鉱夫の変容過程、すなわち労働者家族が近代家族に移行する過程を「家族賃金」観念の形成過程とそのイデオロギー装置に着目しつつ明らかにしている。また、福井県の織物工場で働く既婚女性を対象に、高度成長期の女性労働の育児と賃金についても分析している。
 現在、雇用と賃金体系は崩壊しつつあるにも関わらず、残存するイデオロギーとしての「家族賃金」観念と「男性稼ぎ主」世帯をモデルとした社会保障制度は、さらなる女性労働の地位の低下、例えば母子世帯の母親の多就労と生活難を生み出してもおり、いっそうの労働市場におけるジェンダー化と女性の貧困化を進行させているともいえる。こうした現代的課題に歴史的視点からアプローチしている。
 一方、女性の貧困研究では、「男性稼ぎ主」を持たない女性が貧困に陥りやすいという視点から、非正規雇用のシングル女性、単身の高齢女性などを対象に研究を行っている。さらに、最近は男女ともに非正規雇用が増加していることを背景に、困難を抱えた女性の自立のための労働と生活をつないだ支援について研究している。

主要研究業績等

  • 野依智子(2024) 「労働」と「生活」を問い直す学習と運動 『現代社会教育学事典』日本社会教育学会編、東洋館出版社
  • 野依智子(2024) 書評『筑豊の生活保護とキリスト教-「制度」か「人間」かをめぐる運動史』 『貧困研究』vol.32、明石書店
  • 野依智子(2023) 男性稼ぎ主モデル 『論点?ジェンダー史学』p240、ミネルヴァ書房
  • 野依 智子(2021) 困難を抱えた女性への労働と生活をつないだ支援-生活をともにした就労支援の意義- 『ワークライフバランス時代における社会教育』(日本の社会教育第65集)東洋館出版、pp.126-137
  • 野依智子(2018) 織物産地における託児所の変遷と女性労働者ー女性労働と保育 『家族?地域のなかの女性と労働ー共稼ぎ労働文化のもとで』明石書店
  • 野依智子(2017) 社会的に排除された人々の学びと自立支援 『社会教育?生涯学習ハンドブック』第9版、社会教育推進全国協議会、2017年10月
  • 野依智子(2017) 女性の非正規問題の新たな局面ー貧困?孤立?未婚 『シングル女性の貧困』明石書店、2017年9月
  • 野依智子(2017) 「家族賃金」観念の形成と歴史的意義 『大原社会問題研究所雑誌』No699、2017年1月
  • 野依智子(2016) 『近代筑豊炭鉱における女性労働と家族―「家族賃金」観念と「家庭イデオロギー」の形成過程―』明石書店、2010年。
  • 野依智子(2009) 「労働衛生政策としての『工場体育』の変容に関する一考察―1930年代の雑誌『産業福利』を中心に―」大原社会問題研究所雑誌、NO.607(大原社会問題研究所)、 2009年5月。 『大原社会問題研究所雑誌』NO610、2009年6月

学会発表

  • 野依智子(2017) 高学歴若年女性の入社後の悩み 労働政策フォーラム「若者雇用を取り巻く現状」

所属学会

?日本社会教育学会、社会政策学会、ジェンダー史学会、日本労働社会学会

外部資金の獲得状況

①科学研究費補助金【基盤研究C】「社会的に排除されたホームレスの自立支援における社会関係資本の構築に関する研究」(研究代表者?野依智子?九州大学)2009年度ー2011年度
②科学研究費補助金【研究成果公開促進費?学術図書】『近代筑豊炭鉱における女性労働と家族-「家族賃金」観念と「家庭」イデオロギーの形成過程』(執筆者?野依智子?九州大学)課題番号215228、2009年度
③科学研究費助成金【基盤研究C】「若年ホームレスの生活支援と就労意欲の醸成のためのシステム構築に関する研究」(研究代表者?野依智子?国立女性教育会館)課題番号24531050、2012年度-2014年度
④科学研究費助成金【基盤研究C】「ホームレス状態にある若年女性の生活?就労?社会的自立支援のためのシステム構築研究」(研究代表者?野依智子?福岡女子大学)課題番号15K04311、2015年度-2018年度
⑤科学研究費助成金【基盤研究C】「困難を抱えた女性への就労定着支援のためのシステムとネットワーク構築に関する研究」(研究代表者?野依智子?福岡女子大学)課題番号19K02433、2019年度-2023年度
⑥科学研究費助成金【基盤研究C】「困難を抱えた女性の就労による自立支援のための連携とネットワーク構築に関する研究」(研究代表者?野依智子?福岡女子大学)課題番号24K05607、2024年度-2026年度


担当講義科目

学部

担当科目 開講期 開講年度 内容
体験学習Ⅰ 通年 2024年度
グローバルリーダー論 1Q 2024年度
国際教養演習Ⅰ 1Q 2024年度
国際教養演習Ⅱ 2Q 2024年度
福岡女子大学論 3Q 2024年度
文理統合Ⅰ 3Q 2024年度
国際教養演習Ⅲ 3Q 2024年度
日本史概論 4Q 2024年度
キャリア形成論 4Q 2024年度
国際教養演習Ⅳ 4Q 2024年度

活用可能な分野(社会への貢献等)

?ジェンダー、炭鉱の女性労働史、女性と貧困、非正規シングル女性

関連領域

  • 文化?歴史
  • 社会システム
  • 体験学習
  • 女性生涯学習研究
  • 地域交流
 

キーワード

女性労働、労働と家族、ジェンダー、家族賃金、女性と貧困

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