教授
宮川 美佐子
ミヤカワ ミサコ
略歴
京都大学文学部卒業
京都大学大学院文学研究科修士課程 英語英米文学専攻修了
京都大学大学院文学研究科博士課程 英語英米文学専攻修了
1993年―99年 嵯峨美術短期大学非常勤講師
1999年―2005年 福井県立大学講師、助教授
2001年―2003年 京都大学非常勤講師
2004年 ロンドン大学ロイヤル?ホロウェイ研修員
2005年―2017年 福岡女子大学助教授(2007年より准教授)
2017年― 福岡女子大学教授
取得学位
博士(文学)
研究テーマ
近?現代の英語圏小説研究
研究概要
専門は英国小説で、特に、19世紀末から20世紀初頭の英国の小説家、ジョウゼフ?コンラッドを研究してきた。第2外国語である英語を表現手段として選んだコンラッドは、英文学の多文化性をいろいろな点で体現する作家であり、傾き始めた大英帝国の植民地主義の矛盾をいち早く見抜いた作品群や、政治小説の元祖となる作品群で知られる。かつて日本では詩的な海洋小説?冒険小説の書き手としても親しまれた。文学史的にはいわゆるリアリズムからモダニズムへの過渡期の作家であり、新しい世界観を反映した、主観や曖昧性を強調する斬新な小説の技法を用いた。テーマ的にも技法的にも現代に続く影響を残している。
「英文学」の定義は難しい。「英国の文学」といっても簡単でないし(20世紀半ばに独立したアイルランドはもう英国と関係ないのか? 増え続ける移民は?)、「英語の文学」だと世界中に対象が広がり、さらに複雑だ。そんな英文学の今を創っていく現代の小説(影響を与えたり与えられたりする日本の小説も含め)にも興味をもって読み続けている。
主要研究業績等
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Misako MIYAKAWA(2023)
"Jane in Jeans: On Some Graphic Adaptations of Jane Eyre"
『文藝と思想』第87号、96‐112.
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Misako Miyakawa(2020)
Review: Kaoru Yamamoto, Rethinking Joseph Conrad's Community
『英文学研究』第97巻、17-24. 日本英文学会
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宮川美佐子(2019)
書評:フランコ?モレッティ『ブルジョワ』
『図書新聞』、3382号、2019年1月12日
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宮川美佐子(2018)
「銀と茶の海賊、白と黒の謎―スティーヴンソンとコンラッドの冒険ロマンス」/Pirates Siiver and Brown, Enigmas in Black and White : Romances of R. L. Stevenson and Conrad
『英文學研究 支部統合号』vol.10 (317-327) 日本英文学会
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宮川美佐子(2016)
「The Master of Ballantraeの "an Exquisite Balance”―ロマンスとリアリズム」
Albion 62号 16-30. 京大英文学会
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宮川美佐子(2016)
“Ordinary Evil in William Trevor’s The Children of Dynmouth”
『文藝と思想』(福岡女子大学文学部紀要)第80号, 105-120.
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J.H. ステイプ編(2012)
2012年5月 J.H.ステイプ『コンラッド文学案内』(共訳、研究社)
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宮川美佐子(2011)
2011年10月「虚構の家――コルム?トビーン『巨匠』の〈内〉と〈外〉」 高本孝子他編『新世紀の英語文学』(開文社)所収
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宮川美佐子(2009)
「ビルドゥングスロマンの文脈で読む”Youth”――フランコ?モレッティを手がかりに――」
『文藝と思想』(福岡女子大学文学部紀要)第73号1-14.
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宮川美佐子(2005)
2005年3月 Review: Daphna Erdinast-Vulcan, Allan Simmons, J.H.Stape, eds. Joseph Conrad: The Short Fiction. Studies in English Literature, English Number 46, (English Literary Society of Japan,日本英文学会) 269-275.
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宮川美佐子(2003)
2003年3月 「ラズモフはなぜ轢かれるのか?―-コンラッド『西欧の目の下に』における告白」 『英語青年』(研究社) 第148巻12号(2003年3月号2-6)
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宮川美佐子(2002)
2002年9月 「『肉屋と警官の間で』―『闇の奥』における食と暴力」『英文学研究』 第79巻1号1-14(日本英文学会)
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ウィルキー?コリンズ(2000)
2000年6月 『ウィルキー?コリンズ傑作選第1巻』(共訳,臨川書店)
関連専門分野
英文学、近現代小説
所属学会
日本英文学会
京大英文学会
外部資金の獲得状況
日本学術振興会 特定国派遣研究者(英国長期)2004年
担当講義科目
学部
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
英文学史 |
前期 |
2017年度 |
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英米言語文化文献講読Ⅱ |
前期 |
2017年度 |
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欧米言語文化演習Ⅰ |
前期 |
2017年度 |
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近?現代イギリスの文化と文学Ⅰ |
前期 |
2017年度 |
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近?現代イギリスの文化と文学Ⅱ |
後期 |
2017年度 |
|
欧米言語文化演習Ⅲ |
後期 |
2017年度 |
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欧米文学入門 |
後期 |
2017年度 |
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卒業研究演習 |
通年 |
2017年度 |
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卒業論文 |
通年 |
2017年度 |
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大学院
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
英語圏文学と文化特別研究Ⅱ |
前期 |
2017年度 |
|
英語圏言語文化文献講読Ⅰ |
前期 |
2017年度 |
|
英文学特殊研究演習ⅢA |
前期 |
2017年度 |
|
英語圏言語文化文献講読Ⅱ |
後期 |
2017年度 |
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英語圏文学と歴史特別研究Ⅱ |
後期 |
2017年度 |
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英文学特殊研究演習ⅢB |
後期 |
2017年度 |
|
総合演習Ⅰ |
通年 |
2017年度 |
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総合演習Ⅱ |
通年 |
2017年度 |
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修士特別研究 |
通年 |
2017年度 |
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学部
担当科目 |
開講期 |
開講年度 |
内容 |
欧米文学入門 |
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2016年度 |
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英文学史 |
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2016年度 |
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英米言語文化文献講読 |
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2016年度 |
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近?現代イギリスの文化と文学Ⅰ、Ⅱ |
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2016年度 |
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欧米言語文化演習Ⅰ、Ⅱ |
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2016年度 |
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卒業研究 |
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2016年度 |
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イギリス文学特殊研究(大学院) |
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2016年度 |
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イギリス文学特殊演習(大学院) |
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2016年度 |
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キーワード
英文学, 小説, ナラトロジー
高校等への出前講義テーマ
「書き直し」について(現代文学に多い、かつての古典を現代に即して書き直した作品を比較して、普遍的な部分、歴史的状況によって変わる部分、作家の個人的特徴が表れる部分を考察)
「英文学」の広がり(イギリスだけでなく、インドやオーストラリアの注目される「英」文学を紹介)