福岡女子大学の教職員?学生の皆さん、新年明けましておめでとうございます。皆さんにおかれましては、つつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
公立大学法人福岡女子大学の理事長?学長として2011年に就任して依頼、オープンキャンパスの参加者数や取材?報道数の著しい増加、体験学習を始めとする授業内容の充実、外部資金獲得数と額の増加、女子大美術館の新設と「感性学習」の普及、キャンパス再整備等、福岡女子大学は、質である「大学力」と「知名度」で目覚しい進化を遂げてきました。理事長?学長として福岡女子大学の戦略を提示し、実行してきたこれまでの進化に基づき、今後も継続的に一層向上し一流の大学を目指します。大学の進化には、教職員?学生の参加無しでは実現出来ません。2017年も、教育?研究に対する自己改善?改革と、大学に対する積極的な支援を関係者にお願いします。特に2023年には、福岡女子大学は100周年を迎えます。100周年の将来ビジョンを構築するための基となった2011年以降の実績を、まとめておきます。
Ⅰ.継続的発展を目指す福岡女子大学の将来構想の構築の基礎となった2011年以後の実績
①大学で最も重要な四委員会(予算、人事、入試審議、将来構想)の構築と大学の必要経費と学長裁量経費及び戦略的経費の確保。
②大学教職員がベクトルをそろえて行動すべき University Identity 戦略の決定。
③体験学習を始めとする教育?人材育成の内容の拡大?深化と質の向上。
④一貫した英語教育の充実と、教育寮での English Time、English Day の設定。
⑤一年間に定員の約 6 割の学生が留学経験するが、その機会がない学生に対して、留学経験の代替支援策として English Village 制度のスタート。海外留学のためのJASSOからの財政的支援の確立と増加。
⑥女性リーダー育成プログラムの深化?充実。
⑦入学者の学力の向上と大学を「地方区」から「全国区」へ。
⑧2017年度より、大学院博士前期(修士)と後期(博士)課程がスタートできる高等教育体制の確立。
⑨学生が、大学の各種委員会の委員に就任し、大学経営?運営に直接参加。
⑩国際化推進のための、学術交流協定校と日本人学生も含む交換留学数の増加。
?外部資金獲得数と額の増加。
?感性教育のための女子大美術館の開設と受講生参加型「生涯学習カレッジ」のスタート。
上記したように、数多くの福岡女子大学改善?改革案を学内外に示し、大学としての質である「大学力」と「知名度」の目覚しい向上の実態を、関係者の方々に理解していただきたいと思います。福岡女子大学の教職員と学生の皆さんには、福岡女子大学の次の向上ステップに対する直接参加者になっていただきます。
福岡女子大学は上記した①~?の業績?活動により、学部から大学院まで一貫して教育?人材育成プログラムを継続?発展させることのできる組織となりました。学内外からの支援と教職員の努力により、教育?研究による人材育成、地域?社会貢献、国際活動の分野で目覚しい深化と進化を遂げ、私が理事長?学長として就任して以来、6 年間で大学を一変させる変貌を遂げてきました。2017 年度以降は学部から大学院まで一貫して教育?人材育成プログラムを継続?発展させることのできる組織となっています。福岡女子大学の質である「大学力」と「知名度」を継続的に一層向上させるための将来構想を、次に説明します。
Ⅱ.2023年の大学創立100周年とその後の将来構想
福岡女子大学の将来構想に関するいくつかの提案をしたいと思います。公立大学法人福岡女子大学は、2023年に創立100周年を迎えます。1923年の福岡県立女子専門学校開校から、掲げてきた建学の精神「次代の女性リーダーを育成」を目標として教育?人材育成の成果を引き継ぎ、伝統校の誇りを継続しながら現在の大学の目標を遂行し、一流大学に発展させることが理事長?学長としての私の責務です。福岡女子大学は、上記Ⅰに記載されているような改善?変革により、「入試合格基準点の上昇と入学希望者の安定した数の確保」、「国際化と体験学習に力を傾けた教育?人材育成の充実」、「女性が国際的にリーダーとしての感性を持ち、主体的に活躍することを支援」と「地域社会の学術文化?生活の充実?発展に寄与できる学術組織」等の広い分野で深化し、女子大学として発展する努力を続けています。福岡女子大学は、財政的には福岡県からの支援を受けている大学であるため、「地方区」と「全国区」の絶妙なバランスをとりながら、継続的に発展しなければなりません。大学は組織的に全ての分野にバランス良く発展?進化し、地域?社会に貢献?寄与できるよう自ら改善?改革できる組織であるべきです。
次に福岡女子大学の今後の将来ビジョンを示します。
1.創立100周年事業として4つの主な戦略
?「女性とリーダーシップセンター」の設立
?「国際フードスタディセンター」の設立
?文理統合型の教育?研究の推進
(文理統合型コース?副専攻の拡充、大学院博士前期?後期課程の充実、ASEAN-EU コンソーシアムの形成)
?柔軟な大学運営の実現(教育組織と研究組織との分離、職員の専門性の強化)
2.大学院前期(修士)、後期(博士)課程研究?教育のスタートによる分野横断型教育の充実と「文理統合型教育」の確立
3.新しい教育制度(コースナンバリング、クォーター制、国際化体験学習の充実、学生自らが進化できる教育体制
(学習ポートフォリオシステム?プログレスファイル)の充実と実施)
4.感性教育の制度化と実施(人を思いやれる人間の確立と倫理を深く考える人材育成)
5.自分の意見を積極的に発言?伝達できる人材育成(大学は、教職員だけでなく学生にも「+α」の人間になることを求めている)
6.外部資金導入の継続的拡大と大学発展型の確立
福岡女子大学が一流大学としてのポジションを確保?確立するためには、執行部、教職員、学生が一丸となって行動し、各々が同じ目標に向かって積極的に立ち向かう心構えが求められます。その過程で私達、大学構成員が知っておくべきことは、「意識改革は、教育では出来ない」と いうことと、「社会は常に変化?進化している」ということです。これは、「大学改革?意識改革 は自らの手で」ということと「自分が変化しないことには、進化する社会から見れば退歩?退化と同様である」ということです。福岡女子大学は、やっと一人前の大学となりつつあるというのが、2011年の就任以来の私の実感です。継続的に発展?向上できる大学創りのために、将来は「福岡女子大学の直接関係者から理事長?学長を出す」というリーダーの育成についても理事長?学長の私の責務です。
福岡女子大学の「大学」としての基礎固めと、創立100周年を見据えた大学づくりが、理事長?学長として最低限の責務と自覚し、大学の知名度を上げると共に、教育?研究の質である「大学力」を一層の深化と高揚することに、全力を尽くすつもりです。
2016年は福岡女子大学を一流の大学にするために、教職員?学生に「+α」を求め、積極的活動を求めました。2017年は教職員?学生の皆さんには、更に進化するために「+α」の 1.2 乗の努力をお願いします。
2017 年(平成 29 年)元旦
公立大学法人福岡女子大学
理事長?学長 梶山千里