7月11日 第2回 基礎講座 「対話をうながすファシリテーションのすすめ」
2020年08月12日活動報告
7月11日土曜日、株式会社トライローグ代表取締役の平山 猛さんを講師にお迎えし、基礎講座②「対話をうながすファシリテーションのすすめ」を実施しました。
企業や自治体、行政で個人やチームの成果を向上させることを目的とした人材研修や課題解決を行う平山さんから、対話を引き出す方法、話し合いの進め方を学びました。
午前中はポスト?イット®を使った話し合いの場を体感しました。まずはアイスブレイク。左隣の人の似顔絵を描いて、この日の座席と同じ位置に貼り出しました。
次に「これからチャレンジしたいこと」を2つずつポスト?イット®に書き、ひとりずつ順番に説明しながら似顔絵の横に貼りました。そして、全員分の「これからチャレンジしたいこと」からひとつを選び、実現するための具体的アイデアを出すこととなりました。
それぞれのチャレンジしたいことの中には、「職場のアート関連の部署を街のシンボルにしたい」「地域の子どもたちのために花火をあげたい」「映像について学びたい」「帽子づくりを再開したい」など、職場での活躍ぶりや、創造的な人柄が感じられるものもありましたが、相談の末「どうしたらダイエットで2、3kg痩せられるか?真剣に!」という、参加者みんなが思いを共有しやすいものをテーマに選びました。
ひとつのテーマが決まったら、“ブレイン?ライティング”という手法を使ってアイデア出しを行います。平山さんの進行のもと、用紙に並んだポスト?イット®に具体的アイデアを書き込み次の人に回す受講生たち。となりの席から新たな用紙が回ってくると、他の人のアイデアからもヒントを得ながらまた新たな案を書き込みます。
普段の話し合いでは、どうしても発言力が強い人とそうでない人がいて意見が言えないことがあったり、アイデアが出るまでに時間がかかったりということがありますが、この方法を用いることによって、すべての参加者がアイデアを出し、短い時間で一定量集めることができました。
こうして集まったアイデアを“親和図法”を使ってグルーピングし、それぞれのグループに「基礎代謝をよくする」「食習慣を変える」「現実を知る」など名前を付けました。これにより、みんなが目的達成のために何をすればいいと思っているか明確になります。
次に実行しやすいと思うものに青いシール、効果が高いと思うものに赤いシールを貼り、結果が一目瞭然となるように、“ペイオフマトリックス”を使って実行しやすさを横軸に、効果を縦軸に傾向を示す位置に貼り出しました。こうすることによって、どのアイデアを採用すべきかのヒントを得ることができます。
アイデアを出し合うことを実践した受講生たちからは、「口で意見を言うのはハードルが高くても書き出すことで伝えられた」「自分で考えるときや普段のコミュニケーションでも活かせそう」という感想が出た一方、「分類してまとめていく作業が難しいと感じた」「実際の話し合いの場合、立ち位置によって感じ方に違いが出そう」という、これから実践することを想定しているからこその感想や質問も出ました。
それに対し平山さんからは「個人の希望とは違っても地域にとってはいいと納得できるなど、腹に落ちて合意が得られるように対話と可視化を行い進めることが大切」と伝えられました。
平山さんの進行で話し合いの参加者の立場を体験した午前中に続き、午後からは話し合いをスムーズに進行するための技術“ファシリテーション”について学びました。
まずは受講生が様々な場面で経験した、いい話し合いと残念な話し合いを思い返してみました。いい話し合いの例として、「全員が意見を言えた」「司会が働きかけてうまく発展していった」「共通の目標があって自由に話せる安心感があった」、残念な話し合いとして「限られた人しか発言しなかった」「何のために集まったのかよくわからなかった」「個人の主張を聞くだけになった」などが挙げられました。
残念な話し合いにならず、いい話し合いとするために、必要なのがファシリテーションです。ファシリテーションとは「引き出す力」。中立的な立場で、プロセスを管理しながら、チームワークを引き出し、チームの成果が最大となる支援をすることがその役割となります。
まずは、ファシリテーターの役割のひとつ、傾聴することと対話をうながすことを体験しました。
「最近悩んでいること」をお題にひとりが話し、ひとりが黙って耳を傾けるペアワークを行い、次は質問をしながら聴き、答えながら話すペアワークを行いました。どちらのワークも、聴く側、話す側、どちらの立場も体験します。どうすれば話しやすいか、どう聴くことで話しを引き出せるか、対話の拡げ方、深め方を体験の中で感じ取っていきました。
次に挑戦したのは、ファシリテーションの中でも重要なポイントである可視化の練習。発言を書き出すことによって、どんな意見が出たか、どこまで進んだかが明確となり内容を共有しやすくなります。
まず、ひとりの受講生が故郷について話し、残りの受講生がホワイトボードに書き出す作業にチャレンジ。次は「最近の若者について思うこと」という対話を書き出すチャレンジ、最後に「新人に身につけて欲しい3つの要素」を話し合いの中で決めていくチャレンジと、少しずつ難易度を上げていきました。
発言を拾い上げて書き出すことや対話が生まれるように働きかけてまとめていくことを難しくて感じた受講生もいたようですが、平山さんからは「大切なのは場数を踏むこと。失敗を恥ずかしがらずに繰り返しましょう」とアドバイスがありました。
最後に平山さんから、これから始まる実践演習で「アートで結ぶ場をつくる」企画を考え、グループで実践する受講生に、「それぞれにやりたいことがあると思いますが、みなさんそれぞれの思いを語り、合意を形成していくことで、やりきった感を得られると思います」と伝えられました。受講生にはぜひ今回の学びを実践につなげてもらいたいです。
次回は基礎講座③「企画書の作成 ファンドの種類と獲得」。そしていよいよ実践演習の話し合いもスタートします。
企業や自治体、行政で個人やチームの成果を向上させることを目的とした人材研修や課題解決を行う平山さんから、対話を引き出す方法、話し合いの進め方を学びました。
午前中はポスト?イット®を使った話し合いの場を体感しました。まずはアイスブレイク。左隣の人の似顔絵を描いて、この日の座席と同じ位置に貼り出しました。
次に「これからチャレンジしたいこと」を2つずつポスト?イット®に書き、ひとりずつ順番に説明しながら似顔絵の横に貼りました。そして、全員分の「これからチャレンジしたいこと」からひとつを選び、実現するための具体的アイデアを出すこととなりました。
それぞれのチャレンジしたいことの中には、「職場のアート関連の部署を街のシンボルにしたい」「地域の子どもたちのために花火をあげたい」「映像について学びたい」「帽子づくりを再開したい」など、職場での活躍ぶりや、創造的な人柄が感じられるものもありましたが、相談の末「どうしたらダイエットで2、3kg痩せられるか?真剣に!」という、参加者みんなが思いを共有しやすいものをテーマに選びました。
ひとつのテーマが決まったら、“ブレイン?ライティング”という手法を使ってアイデア出しを行います。平山さんの進行のもと、用紙に並んだポスト?イット®に具体的アイデアを書き込み次の人に回す受講生たち。となりの席から新たな用紙が回ってくると、他の人のアイデアからもヒントを得ながらまた新たな案を書き込みます。
普段の話し合いでは、どうしても発言力が強い人とそうでない人がいて意見が言えないことがあったり、アイデアが出るまでに時間がかかったりということがありますが、この方法を用いることによって、すべての参加者がアイデアを出し、短い時間で一定量集めることができました。
こうして集まったアイデアを“親和図法”を使ってグルーピングし、それぞれのグループに「基礎代謝をよくする」「食習慣を変える」「現実を知る」など名前を付けました。これにより、みんなが目的達成のために何をすればいいと思っているか明確になります。
次に実行しやすいと思うものに青いシール、効果が高いと思うものに赤いシールを貼り、結果が一目瞭然となるように、“ペイオフマトリックス”を使って実行しやすさを横軸に、効果を縦軸に傾向を示す位置に貼り出しました。こうすることによって、どのアイデアを採用すべきかのヒントを得ることができます。
アイデアを出し合うことを実践した受講生たちからは、「口で意見を言うのはハードルが高くても書き出すことで伝えられた」「自分で考えるときや普段のコミュニケーションでも活かせそう」という感想が出た一方、「分類してまとめていく作業が難しいと感じた」「実際の話し合いの場合、立ち位置によって感じ方に違いが出そう」という、これから実践することを想定しているからこその感想や質問も出ました。
それに対し平山さんからは「個人の希望とは違っても地域にとってはいいと納得できるなど、腹に落ちて合意が得られるように対話と可視化を行い進めることが大切」と伝えられました。
平山さんの進行で話し合いの参加者の立場を体験した午前中に続き、午後からは話し合いをスムーズに進行するための技術“ファシリテーション”について学びました。
まずは受講生が様々な場面で経験した、いい話し合いと残念な話し合いを思い返してみました。いい話し合いの例として、「全員が意見を言えた」「司会が働きかけてうまく発展していった」「共通の目標があって自由に話せる安心感があった」、残念な話し合いとして「限られた人しか発言しなかった」「何のために集まったのかよくわからなかった」「個人の主張を聞くだけになった」などが挙げられました。
残念な話し合いにならず、いい話し合いとするために、必要なのがファシリテーションです。ファシリテーションとは「引き出す力」。中立的な立場で、プロセスを管理しながら、チームワークを引き出し、チームの成果が最大となる支援をすることがその役割となります。
まずは、ファシリテーターの役割のひとつ、傾聴することと対話をうながすことを体験しました。
「最近悩んでいること」をお題にひとりが話し、ひとりが黙って耳を傾けるペアワークを行い、次は質問をしながら聴き、答えながら話すペアワークを行いました。どちらのワークも、聴く側、話す側、どちらの立場も体験します。どうすれば話しやすいか、どう聴くことで話しを引き出せるか、対話の拡げ方、深め方を体験の中で感じ取っていきました。
次に挑戦したのは、ファシリテーションの中でも重要なポイントである可視化の練習。発言を書き出すことによって、どんな意見が出たか、どこまで進んだかが明確となり内容を共有しやすくなります。
まず、ひとりの受講生が故郷について話し、残りの受講生がホワイトボードに書き出す作業にチャレンジ。次は「最近の若者について思うこと」という対話を書き出すチャレンジ、最後に「新人に身につけて欲しい3つの要素」を話し合いの中で決めていくチャレンジと、少しずつ難易度を上げていきました。
発言を拾い上げて書き出すことや対話が生まれるように働きかけてまとめていくことを難しくて感じた受講生もいたようですが、平山さんからは「大切なのは場数を踏むこと。失敗を恥ずかしがらずに繰り返しましょう」とアドバイスがありました。
最後に平山さんから、これから始まる実践演習で「アートで結ぶ場をつくる」企画を考え、グループで実践する受講生に、「それぞれにやりたいことがあると思いますが、みなさんそれぞれの思いを語り、合意を形成していくことで、やりきった感を得られると思います」と伝えられました。受講生にはぜひ今回の学びを実践につなげてもらいたいです。
次回は基礎講座③「企画書の作成 ファンドの種類と獲得」。そしていよいよ実践演習の話し合いもスタートします。